人間の首には甲状腺という臓器がついています。
蝶々のような形をしている、縦2〜3cm、横6〜8cm程度の臓器です。
甲状腺内科
甲状腺内科

甲状腺疾患の診断や治療は、採血検査と甲状腺超音波(エコー)の2つで行います。当院では両方の検査いずれも院内で行え、検査結果もその日のうちに知ることができるため、治療をスムーズに行うことが可能です。

人間の首には甲状腺という臓器がついています。
蝶々のような形をしている、縦2〜3cm、横6〜8cm程度の臓器です。
甲状腺は「甲状腺ホルモン」という物質を出しています。甲状腺ホルモンは人間の体内で、アクセルを踏む役割をしています。甲状腺ホルモンが放出されると体は活発に動き、逆に体を休ませたい時はホルモンの放出が控えめになってアクセルを緩めます。
甲状腺の病気は大きく分けて2種類に分かれます。
甲状腺ホルモンの分泌量については血液検査で、甲状腺の大きさや内部の状態については甲状腺超音波で調べることができます。
甲状腺ホルモンは人間のアクセルを踏む役割をしているため、ホルモン量が多すぎると24時間アクセル全開で生きる状態になってしまいます。そのため体全体がどんな時も全力疾走しているような状態になり、以下のような症状が出てしまいます。
バセドウ病
自分の免疫細胞が甲状腺を刺激し、甲状腺ホルモンを出させる病気。
亜急性甲状腺炎
感染症によって甲状腺が破壊され、甲状腺内に蓄えられているホルモンが血液中に放出される病気。甲状腺の疼痛を伴う。
無痛性甲状腺炎
何らかの原因によって甲状腺に炎症が起こり、甲状腺内に蓄えられているホルモンが血液中に放出される病気。甲状腺の疼痛は伴わない。
など
甲状腺ホルモンが少なくなると、体の機能が徐々に弱くなっていきます。アクセルを上手く踏めない状態になってしまうからです。そのため以下のような症状が出てきます。
これらは加齢や日々の疲れなどからくる症状と見逃されることも多く、またうつ病などの精神疾患や、年齢からくる寝たきりなどと放置されることもあります。疑って調べないと見つけることが難しい病気ですが、甲状腺機能低下症からくるものであれば甲状腺ホルモンの補充薬を内服することで症状は改善します。
橋本病
自分の免疫細胞が甲状腺を破壊してしまう病気。
甲状腺炎後
感染症で破壊された甲状腺の範囲が大きく、ホルモンを作る力が落ちてしまう。
免疫チェックポイント
阻害薬の副作用
悪性腫瘍の新しい治療薬である免疫チェックポイント阻害薬は免疫細胞に、元々は自分の体の細胞であるがん細胞を破壊できるようにする薬ですが、本来の標的であるがん細胞だけでなく、他の自分の臓器も破壊してしまうことがあります。中でも頻度が高いものが甲状腺で、甲状腺が完全に破壊されてしまいホルモンが出せなくなってしまいます。
健康診断には触診の項目に(甲状腺腫大の有無)があります。甲状腺が大きくなる原因としては、
の2つがあります。
(a)の甲状腺全体の腫大は多くの場合、バセドウ病や橋本病が原因です。自分の免疫細胞が甲状腺を刺激しまくったり破壊しまくったりするせいで、甲状腺全体が大きくなってしまうのです。
(b)の甲状腺のできものは、甲状腺自体は正常の大きさでも、内部に腫瘍や水ぶくれができてしまうことで、そこだけが大きくなってしまっている状態です。
この2つは甲状腺超音波検査で鑑別することができます。(a)の甲状腺全体の腫大なら採血検査でバセドウ病や橋本病がないかどうかの検査に移り、(b)の甲状腺のできものの場合は、超音波検査を行いながら採血の針を甲状腺腫瘍に刺して中の細胞を取ってくる穿刺細胞診という精密検査に移ります。
甲状腺のできものは大きく分けて3つあります。
甲状腺嚢胞は、いわゆる水ぶくれです。皮膚に水ぶくれができることがありますが、甲状腺・肝臓・腎臓など内臓の中にもできることがあります。皮膚の水ぶくれはそのうち破けておしまいですが、内臓の水ぶくれは基本的に破けることがないため、一度できてしまうと大半はずっと消えません。ただこれは病的意義はなく、よほど数や大きさが酷くならない限りは悪さもしないため、特に治療を行う必要はないのです。
良性腫瘍と悪性腫瘍は、細胞を採ってこないと診断できません。典型的な悪性腫瘍の場合は超音波で見た瞬間強く疑うことはできますが、基本的に良性か悪性かの診断は細胞を採ってきて、顕微鏡で見る病理検査を行わなくてはなりません。
バセドウ病があったり橋本病の抗体があったりすると不妊や流産になる率が上がると言われています。また、妊娠した直後は胎児の分の甲状腺ホルモンも母体が作る必要があるため、通常時の1.5倍程度の甲状腺ホルモンを作らないといけなくなるため、甲状腺ホルモンの分泌量が正常範囲内であっても分泌力が弱い場合は不妊や流産の率を上げてしまいます。
これらは血液検査で確認できますので、不妊症でお悩みの方や、産婦人科で甲状腺機能異常が指摘された方はお気軽にご相談ください。
可能性があります。甲状腺ホルモンは、体を活発に動かすためのアクセルのような働きをしています。このホルモンが少なくなると体の機能が徐々に弱まり、疲れやすさ、体が動かない感じ、強い眠気、寒がり、便秘、肌の乾燥、顔や手足のむくみ、体重の増加などが現れます。水分が体に溜まるため、食欲が落ちているのに体重が増えることもあります。加齢や日々の疲れによるものと考えて見過ごされやすい症状ですが、甲状腺ホルモンの低下が原因であれば、不足分を補う内服薬で改善が期待できます。採血で調べられますので、思い当たる症状が重なるようであれば一度ご相談ください。
甲状腺ホルモンが過剰に働いているときにみられる症状ですが、甲状腺以外の病気でも起こります。原因には、ホルモンが作られすぎるバセドウ病や、甲状腺の組織が一時的に傷ついて蓄えられたホルモンが漏れ出す亜急性甲状腺炎・無痛性甲状腺炎などがあります。原因によって治療が異なるため、症状の経過、採血、超音波検査などを組み合わせて調べます。動悸や体重減少が続く場合は、早めにご相談ください。
甲状腺は、のどぼとけの下あたりにある蝶々のような形の臓器です。ここが腫れているように感じる場合、大きく2つの状態が考えられます。ひとつは甲状腺全体が大きくなっているもので、この場合はバセドウ病や橋本病が原因であることが多く、免疫細胞が甲状腺を刺激したり壊したりすることで全体が膨らみます。もうひとつは甲状腺自体の大きさは正常でも、内部にできもの(腫瘍や水ぶくれ)ができているものです。この2つは甲状腺超音波検査で見分けることができます。当院では超音波検査を院内で行っていますので、気になる腫れやしこりがあれば、そのままにせずご相談ください。
一度検査を受けておくことをおすすめします。健康診断の触診には甲状腺腫大の有無を確認する項目があり、そこで指摘を受けた場合は、甲状腺の働きに異常がないか、内部にできものがないかを確認する必要があります。調べ方は採血と甲状腺超音波の2つです。なお、甲状腺ホルモンの数値が正常範囲であっても甲状腺が腫れることはありますので、「ホルモンは大丈夫だった」という場合でも超音波での確認には意味があります。健診の結果票をお持ちいただけると、指摘された内容を踏まえてご説明できます。
採血で甲状腺ホルモンや必要に応じて自己抗体を調べ、超音波(エコー)で大きさや内部の状態を確認します。当院では採血と甲状腺エコーに対応し、甲状腺ホルモンなど院内測定が可能な項目は当日結果をご説明できます。検査項目や受診時間によっては後日のご説明となります。受診は予約制です。予約方法は「受診される方へ」をご確認ください。
甲状腺の病気は、これらと症状が重なりやすいことが知られています。甲状腺ホルモンが低下すると、気分の落ち込みや無気力といったうつ病に似た症状が現れることがあり、ホルモンが増えすぎた場合の動悸や発汗、いらだちは更年期の症状と区別しにくいものです。そのため、年齢によるものと考えられて長く経過してしまうことがあります。甲状腺の状態は採血で確認できますので、これまでの診断とあわせて一度調べておくと、原因の切り分けに役立ちます。他院に通院中の方もご相談いただけます。
ご家族の病名や、ご自身の症状・健診結果に応じて、検査の必要性をご相談ください。バセドウ病や橋本病には体質的な要因も関わりますが、ご家族に患者様がいるだけで発症が決まるわけではありません。動悸、疲れやすさ、首の腫れなどがある場合は、家族歴も診察時にお伝えください。症状がない方への検査は、医師が必要性を判断します。
甲状腺の働きの異常は、月経や妊娠の経過に影響することがあります。妊娠すると必要な甲状腺ホルモン量も変化するため、妊娠前から甲状腺の病気がある方は、妊娠を希望する段階でご相談ください。抗体があるだけで不妊や流産が起こると決まるものではありません。採血結果や妊娠の状況に応じ、産婦人科と相談しながら検査・治療の必要性を判断します。
まず超音波で、しこりの大きさや形、内部の状態を確認します。水分がたまった嚢胞など、経過観察となるものもあります。悪性が疑われる所見や大きさなどに応じて、細い針で細胞を採取する穿刺吸引細胞診などを検討します。すべてのしこりに細胞診が必要なわけではなく、検査をしても確定できない場合があります。精密検査が必要な場合は、実施方法や受診先をご案内します。
甲状腺はホルモンを作る臓器のため、内分泌内科(内分泌代謝科)が専門となります。当院は内科・糖尿病内科・内分泌内科・甲状腺内科を掲げており、内分泌代謝科専門医である院長が甲状腺疾患の診療を行っています。検査から診断、内服治療、その後の定期的な経過確認までを継続して行います。手術や放射線による治療が必要と判断された場合には、連携する医療機関へご紹介しますので、まずは受診しやすい窓口としてご利用ください。

監修者
松尾 悠志(まつお ゆうじ)
松尾内科・糖尿病・内分泌クリニック 院長
専門領域:糖尿病、甲状腺疾患、内分泌疾患、肥満症、生活習慣病
藤田保健衛生大学(現:藤田医科大学)医学部医学科を卒業。藤田医科大学病院、豊田厚生病院、岡崎医療センターでの診療経験を経て、松尾内科・糖尿病・内分泌クリニックを開院しました。糖尿病・甲状腺疾患・内分泌疾患を中心に、将来の健康を見据えた予防医療に取り組んでいます。
ページ更新日:
TOP